2008.03.15

鳴子温泉

またひとつ、もう一度行きたい温泉が増えました。

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「おくのほそ道」で、仙台・松島・平泉と旅した芭蕉は、日本海側へとぬけるために山越えをします。

「南部道遥かにみやりて岩出の里に泊る。小黒崎、みづの小島を過ぎて、鳴子の湯より尿前の関にかかりて出羽の国に越えんとす。この路、旅人稀なる所なれば、関守にあやしめられて、漸うとして関をこす。」

数日前、芭蕉と同じ道を通って宮城県は仙台から鳴子温泉に行きました。

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芭蕉も「この道は旅人がほとんど通らないから、関守にあやしまれてようやっと通してもらえた」といっていますが、今もそんなに車通りは多くなく、田んぼが続くばかりの道をひたすら走る。

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そんなところにある鳴子温泉は、寂れたながらものびやかな、い〜い感じの温泉街です。開いていない「キャバレー」とか「スナック」とかがあるのがたまらない。

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温泉神社という神社があり、そのふもとに「滝の湯」という共同温泉の古い建物があります。ここが837年の鳴子温泉発祥の地。
温泉神社のご神湯が、木の桶をつたって、昔からの板張りの浴槽に滝のように落ちてくる。泉質は透明温和で、露天風呂とはまた違う興趣があります。

面白いのは、「滝の湯」の隣に「ゆさや」という温泉宿があるのですが、この2軒はのきを接しているのにまったく泉質が違うのです。(「滝の湯」は硫黄泉、「ゆさや」はエメラルドグリーンの芒硝泉)

稀にみる、温泉の神様に好かれた町なのでしょう。

「滝の湯」は地元の人たちばかりでしたが、おばちゃん達の肌がそろって滑らかなのにはびっくりしました。いいなあ、温泉街。

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どうでもいいこぼれ話ですが、「滝の湯」を後にして古川というところに宿をとったら、「滝の湯」の脱衣所に財布を忘れてきたことに気づき、次の朝一緒に行った後輩達にあきれられながら鳴子温泉に戻りました。

でも、そのおかげで面白い建築も見られました。

鳴子・早稲田桟敷湯(共同浴場) 設計:石山修武研究室(1998年竣工)

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しっくいの黄色がまるで東南アジアの建物のよう。二つの建物が並置されていて、真ん中にあらわれたくねった路地からアプローチします。

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奥にむけて下る傾斜がついた土地を利用して、スロープは2階につながっています。

浴槽はこんな感じ。

Photo

10年の歳月で、カビがすばらしくいい仕事をしています。縦のラインにハイサイドライトがことさら印象的で、石山さんはこれを見て「してやったり」と思っているかもしれません。

ちなみに、「早稲田湯」自体は、この建物ができる50年ほど前に7人の早稲田の学生が掘ったものらしいです。おもしろい縁故です。

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鳴子の名物

1. こけし

鳴子のこけしは胴体が凹レンズ型で菊が描いてあり、首がまわってキュッキュッというのが特徴らしい。
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「こけし」は「子消し」で間引きした子供のかわりにつくられたという説を信じてしまったのですが、どうやら都市伝説で、「木削子」、もとから木でできた子供の玩具だそうです。

2. 本舗一之坂餅屋の栗だんご

美味しいけれど一言で言えば「栗をつつんだ大きなみたらし団子」なので、名物としては弱いように思いますが、「人面をしたもみじ饅頭」を名物としている東京から来た人間はなにもいうまい。

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3. 尿前の関

鳴子のすぐそばにありますが、冒頭の「おくのほそ道」の続きで、風雨のせいで三日間この地で足止めをくらった芭蕉が

蚤虱 馬が尿(しと)する枕もと
(のみやしらみにせめられた上に、枕元で馬が小便する音まで聞こえてくる。)

と「ただの愚痴じゃないか」というような句を詠んだ地です(尿前とかけているところがうまいのかもしれませんが)。なんでも観光資源になるのですね。

地名の由来は、平泉へおちのびる源義経に息子の亀若丸が生まれ、はじめて産声をあげたのが「鳴子」で、はじめて小便をしたのが「尿前の関」という伝説が残っています。

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